2026-04-23

先代から受け継いだ土地に、古い石の杭が埋まっている。
半分土に隠れた、名も無い境界標。
親の代までは、隣家とのあいだに曖昧な「このあたりまで」という了解があった。
垣根の位置、軒の出の感覚、畑の畝の並び。それで困ることは、何十年もなかった。
けれどいざ土地を売ろうとすると、曖昧は曖昧のままでは通用しない。
「ここからここまでが自分の土地です」と、地図の上にはっきりと線を引いて、隣の人にも、お役所にも、買主にもわかるかたちで示す必要がある。それが、境界確定という作業です。
昔の土地取引では、登記簿の面積だけで売買する「公簿取引」も一般的でした。
けれど今は、境界のはっきりしない土地は買主がつきにくく、ついても値が下がる傾向があります。
住宅ローンを使う買主が多い現代では、金融機関も境界の明確な土地を好みます。
境界があいまいなまま売却すると、引き渡し後に「ここは私の土地だ」と隣地から主張され、損害賠償問題に発展することもあります。
売主としての責任を果たし、後々のトラブルを避けるために、境界を確定させておく意味は大きいのです。
特に土地だけを売る場合、境界確定はほぼ必須と考えてよいでしょう。

測量と一口に言っても、目的によっていくつかの種類があります。
まず「現況測量」は、今ある塀やブロック、既存の境界標を目印に、おおよその土地の形と面積を測る簡易的な測量です。
費用相場は10万〜30万円ほどで、売却前の参考資料としてよく使われます。
一方「確定測量」は、隣地の所有者全員の立ち会いと同意を得て、境界を法的に確定させる本格的な測量です。
隣地が個人だけなら35万〜45万円、道路や水路など国や自治体の土地が接している場合は官民査定が必要となり、60万〜80万円が相場になります。
売却を前提にするなら、基本的には確定測量を行うのが安心です。
確定測量は、お金だけでなく時間もかかります。
土地家屋調査士への依頼から完了まで、三ヶ月から半年を見ておくのが現実的です。
官民査定を伴う場合は、役所との調整が入るため半年から一年に及ぶこともあります。
そしてもっとも心の準備が要るのが、隣地所有者との立ち会いです。
何十年も顔を合わせていなかった隣家と、改めて境界を確認する場が必要になる。
多くの場合は穏やかに同意いただけますが、まれに認識のずれが浮かび上がり、話し合いが難航するケースもあります。
遠方に住む相続人や、すでに代替わりした隣家との調整は、経験のある不動産会社や土地家屋調査士を通すとスムーズです。
第三者が間に入ることで感情的なやり取りを避けやすくなり、法的根拠に基づいた円滑な合意形成につながります。

境界確定測量の費用は、法律で誰が払うと決まっているわけではありません。
慣例としては、売却のために行う測量である以上、売主が負担することが一般的です。
買主の安心のため、きれいな土地として引き渡すための準備費用、という考え方です。
ただ、買主がどうしても欲しい土地であれば、交渉のなかで折半や買主負担になることもあります。
また、売却価格が高額になれば測量費は相対的に小さく映りますが、数百万円規模の土地で数十万円の測量費が重くのしかかることもあります。
事前に見積もりを取り、売却計画全体のなかで費用対効果を考えることが大切です。
なお、過去に行われた確定測量の資料が残っていれば、新たな測量を省略できたり、部分的な測量だけで済む場合もあります。
親から受け継いだ古い図面や測量成果があるなら、売却相談の際にご一緒に確認いただくと、不要な費用を抑えられる可能性があります。
足利市には、古くから地主として土地を守ってこられた方が多くいらっしゃいます。
先祖代々の田畑や宅地、分家に譲った土地、長年貸していた駐車場。どれも、境界の記録が図面として残っていないことが珍しくありません。
「測量が必要と言われたが、どこから始めればいいかわからない」「隣地の方とどう話を切り出せばよいか迷っている」。
そんな声を、私たちはよくお聞きします。
さくら屋は足利市で40年以上、地域の土地と向き合ってきました。
信頼できる土地家屋調査士のご紹介から、隣地への立ち会い依頼のお手伝いまで、売主様の負担を軽くするかたちでご支援しています。
まずは土地の現状と、売却したときのおおよその価値を知るところから。無料査定を通して、必要な段取りをご一緒に考えます。
#足利市 #不動産 #お役立ち情報
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