2026-05-21
親が亡くなり、実家の土地と建物を兄弟で相続した。
とりあえず法定相続分で登記して、共有名義にしておいた。
このようなケースは珍しくありません。
問題は、その先です。
「売りたい」と思ったとき、共有名義の不動産は一人の判断だけでは動かせません。
後回しにするほど話が複雑になりやすいこの問題について、順を追って整理してみます。
共有名義とは、ひとつの不動産を複数の人が持分を分けて所有している状態のことです。
たとえば、父が亡くなり、母と子ども2人が相続した場合。
遺産分割協議で「誰が取得するか」を決めずに法定相続分のまま登記すると、母が2分の1、子がそれぞれ4分の1ずつの共有名義になります。
登記上は3人の名前が並びますが、だからといって3人が自由にその不動産を使えるわけではありません。
共有名義には、単独所有にはない制約があります。
共有名義にしたまま年月が経つと、次のような問題が起きやすくなります。
1. 売却に全員の同意が必要
共有不動産を「丸ごと売る」には、共有者全員の合意が必要です。
1人でも反対すれば、売却は進められません。
兄弟2人なら話し合いも比較的まとまりやすいですが、共有者が増えるほど意見の調整は難しくなります。
2. 世代が進むと共有者が増える
共有者の一人が亡くなれば、その持分はさらにその相続人へ引き継がれます。
親の代では兄弟3人の共有だったものが、次の世代では8人、10人の共有になることも珍しくありません。
共有者が増えると、連絡先すらわからない人が出てくる可能性があります。
そうなると、売却どころか、管理や修繕の意思決定さえ困難になります。
3. 固定資産税や管理費の負担が偏る
共有不動産の固定資産税は、本来は持分に応じて全員が負担するものです。
しかし、実際には「近くに住んでいる人」「相続を主導した人」が立て替え続けるケースが多く見られます。
負担の偏りが長く続くと、それ自体が不満の原因になり、売却の話し合いにも影響します。
共有名義の不動産を売却したいと考えたとき、事前に確認・整理しておくべきポイントが3つあります。
1つ目:共有者全員の現状を確認する
まず、現在の共有者が誰で、それぞれの持分がどうなっているかを登記簿で確認します。
相続登記が済んでいない場合は、先に登記を完了させる必要があります。
2024年4月からは相続登記が義務化されており、正当な理由なく放置すると過料の対象になる可能性もあります。
共有者全員の連絡先を把握し、売却についての意向を確認することが最初のステップです。
2つ目:全員で売るか、持分だけ売るかを決める
共有不動産の売却方法は、大きく分けて2つあります。
全員が売却に前向きであれば、丸ごと売るほうが金額面では有利です。
持分売却は最終手段と考えたほうがよいかもしれません。
3つ目:売却代金の分け方と税金を事前に確認する
売却代金は持分割合に応じて分配するのが原則です。
ただし、譲渡所得税は各共有者がそれぞれ確定申告で納めることになります。
相続した不動産の場合、取得費(購入時の価格)が不明なケースが多く、その場合は売却価格の5%が取得費とみなされます。
この「概算取得費」だと譲渡所得が大きくなりがちなので、購入時の契約書や領収書が残っていないか、売却前に探しておくことをおすすめします。
また、相続から3年以内の売却であれば「相続税の取得費加算」の特例が使える場合もあります。
税金の計算は複雑なため、不動産会社や税理士に相談するのが確実です。
「売りたい人」と「売りたくない人」が混在して話がまとまらない場合、法的な手段もあります。
いずれも専門的な判断が必要になるため、早い段階で不動産会社や弁護士に相談しておくことが大切です。
共有名義の問題は、「今は困っていないから」と放置されがちです。
しかし、時間が経つほど共有者が増え、連絡が取れなくなり、合意形成のハードルが上がります。
「いつか整理しなければ」と感じているなら、それは今がそのタイミングかもしれません。
さくら屋では、共有名義の不動産についてのご相談も承っております。
現状を整理するところから、一緒に考えさせていただきます。
記事:さくら屋スタッフ
#足利市 #不動産売却 #共有名義 #相続 #お役立ち情報
不動産の売却をすると、基本的に確定申告が必要になります。 確定申告とは所得を得た場合に必要になりますので、売却金額によって利益が出ているのに無視してしまえば無申告になってしまいます。 ...
2022-01-10
土地の売却を検討する際、さまざまな理由から、土地すべてではなく一部だけ売却したい!と考えている人もいるのではないでしょうか。 一部のみの売却なんてできるの?どうやってするの?と疑問もた...
2022-01-09
不動産売却を検討するにあたり、スムーズに売却できるか心配だと感じる方も多くいらっしゃいます。 反対に買手にとっても、中古住宅の状態や価格が適正かどうか不安を持つことが多いといわれていま...
2022-01-11
地震の多い日本では、住宅の耐震性が重要視されます。 とくに昭和56年6月以前の木造住宅は旧耐震基準と呼ばれ、現行の木造住宅より耐震性が劣っているかもしれません。 そこで推奨されるのが耐...
2022-02-08